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朝礼発表 災害支援報告 [東北地方太平洋沖地震災害支援]

災害支援活動報告

今朝の朝礼で人見Drから先日行われた災害支援活動報告についての報告がありました。

日本医師会が災害医療チームJMATを組織。東日本大震災被災地に本格派遣をはじめ、わたしたち佐藤病院は大阪府医師会からJMATへの参加ということで9番目に派遣されたチームです。リレー形式で引継ぎを行いながら北摂総合病院(高槻市)からバトンを受け取り、樫本病院・金剛病院(大阪狭山市)へと引き継いだようです。これからもまだ、様々な病院が継続してリレーを行うことになるため、みなさまのご参考になればと存じます。

【報告内容】
東日本大震災の概要
2011年3月11日14時46分 東北地方三陸沖 M9.0 最大震度7の地震
・津波により東北地方太平洋岸(特に宮城県・岩手県)で多数の死傷者を出す壊滅的状況死者の総数:約1.4万人(宮城県:8600人、岩手県:4100人、福島県:1400人) 行方不明者の総数:約1.3万人
→医療機関を含む全ての都市機能が麻痺

大地震の歴史
明治三陸地震(1896年):M8.5 死者:2万人
関東大震災(1923年):M7.9 死者:11万人
チリ大地震(1960年):M9.5 死者:2200~6000
阪神淡路大震災(1995年):M7.3 死者:6400人
四川大地震(2008年):M7.9 死者:7万人(行方不明:8万)                   
スマトラ沖大地震(2004年):M9.1 死者:23万人
東日本大震災(2011年):M9.0 死者:1.3万人(行方不明:1.5万人)
               
医療支援の流れ
①急性期医療:DMAT(Disaster Medical Assistant Team)
  ↓
②亜急性期~慢性期:診療活動を非被災地が肩代わりし
  日本医師会などの各種医療組織による復旧支援活動
  日本医師会医療支援チーム
JMAT( Japan Medical Association Team )
  ↓
③慢性期(復興期):現地の医療体制の再建・再構築

亜急性期の医療支援
現地の医療機関・スタッフの診療を代行
1)通常診療
2)感染流行・慢性疾患悪化の予防
3)精神面のケア
4)重病者の早期発見と非被災地への転送

JMAT派遣
岩手県:北海道、青森・秋田、東京、甲信越、大阪・和歌山、          
宮城県:山形、東京、甲信越、兵庫・奈良、中四国      
福島県:東京、中部、京都・滋賀
茨城県:九州
大阪チームは岩手県の大槌町へ派遣

大阪チームのリレー
   ・・・
    ↓
北摂総合病院(高槻市)
    ↓
佐藤病院
    ↓
樫本病院・金剛病院(大阪狭山市)
    ↓
   ・・・
岩手県の被災状況
陸前高田市 死者:1200人 不明者:1200人
大船渡市 死者:280人 不明者:230人
釜石市 死者:700人 不明者:650人
大槌町 死者:600人 不明者:1000人
山田町 死者:530人 不明者:290人
宮古市 死者:400人 不明者:1300人

大槌町の被災状況
町民人口:16000
・死者:600名、行方不明者:1000名
 (町民人口の10%)
・避難者:2516名(34ヶ所)(4/15時点)

大槌高校避難所
町民:約400人が避難
AMDAの高岡邦子先生が救護所を統括
大阪・青森・長野の各チームとAMDAが連携して救護所を運営
処方は院内もしくは院外処方可能
4/15~4/17は内科医師のみで外科系は不在
小児科はAMDAの医師が対応

受診内容
高血圧:37%
花粉症:33%
糖尿病:11%
感冒:9%
不眠:6%
捻挫:6%
外傷:6%
胃腸炎:4%
DVT:4%
PAF:2%
院外処方開始を境に80→61→24人/日と受診人数は減少

復興への動き
4/14から院外薬局が仮設薬局を再開し院外処方再開
4/25から県立大槌病院の仮診療所が黒田院長先生を中心に診療開始
5月下旬をめどに19床の診療所を建設すべく
 岩手県医師会が準備開始
地域の開業医院も順次仮診療所を再開へ
4/20~小中高校が再開(それにともない避難者の配置調整)

まとめ
医薬品・食料は予想以上に供給されていた
徐々にではあるが復興に向けて始動開始していた
復興が軌道に乗るまでの継続的な物心両面の支援が必要と思われた

以上が報告内容です。
その他、看護師の意見としては慢性期に入っている避難所では医師、薬剤師のほかに理学療法士やカウンセリングができる方等が必要だと感じていました。ご参考になれば幸いです。
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災害医療班 最終活動報告 [東北地方太平洋沖地震災害支援]

災害医療班 無事、帰院!ご苦労様でした。

昨日、「今日は避難者の方々の移動もあり、施設内バタバタとしそうなので、現場のニーズに合った対応をします。」と連絡が入り、頼もしく感じておりましたが最終日は避難所を移られる方々も多く、診療も行われましたがメンタルサポートが必要だと痛感したようです。
医師、薬剤師は需要が高かったようですが、急性期→亜急性期→慢性期へと移行している今、一番必要なのはカウンセリングができる方と理学療法士だと感じたようです。リハビリの方は大変、重宝がられていたようで長期の避難所生活でADLも低下し、適度な運動などなかなか出来ない中で不自由を感じておられるのかも知れません。障害を抱えての避難生活は本当に大変だと思います。災害支援のチームに理学療法士も同行してもらうべきだったと今更ながらに後悔しております。
支援活動が終了した後、「今さっき業務終了し、バスで帰っているところです。とりあえず5人全員頑張って協力し、5人とも無事に終わりました。詳しいことは、また明日戻って以降に報告します。」「今から、荷物を積んでから帰路に着きます。」と連絡があり、昨夜、岩手県大槌高校を出発し、今日の12時15分に無事、かえってきました。
理事長、院長、事務局長をはじめ、各病棟や外来師長、スタッフ総出で「お出迎え」には5人の清栄部隊も驚いた様子でした。
帰院前「帰ったらなにか食べたいものはありますか?」との問に「食べ物はいらないです、お出迎えは最小限でお願いします。荷物運びのための精鋭の営繕さんをお願いします。」という返事をもらっていたのですが盛大なお出迎えになったのでさぞ「びっくり」だったと思います。
1ヶ月以上たち、やや復興してきたとはいえ、まだまだかなりの悲惨な状態を目の当たりにして帰ってきた彼女たちは、災害の恐ろしさを知ると同時に継続支援の重要性もひしひしと感じてきたことでしょう。
わたしたちは派遣という形では継続はむりかも知れません。しかし、出来ることから行っていきたいと思っています。
理事長はすでに医師会を通じて義援金を送られました。わたしたち看護部もスタッフのみなさんからお預かりしたお金を、大阪府看護協会を通じて送りました。しかし、これで終わるのではなく、継続して今後も行ってまいります。みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。
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災害支援活動2日目報告 [東北地方太平洋沖地震災害支援]

災害支援活動2日目経過報告

4月16日の朝刊に「大槌高校の避難者194人に強制移転迫る!」の見出しを見つけ、朝、一番で写真にとってメールを送りました。強制的に振りわけしたようで避難者から不満の声も上がっているとの記事、みなさまの心中をお察ししながらの医療活動が必要かと思い、メンタル的にもフォローアップを依頼しました。
派遣チームから「今避難所にいている400名の方々のうち、250名は移転を拒否されています。新聞にあるような、希望しない移転先への強制も理由にあるのかもしれません。今日は少し避難者の方々とコミュニケーションを取って話を伺ってみます。」という返事が来ました。

2日目報告
「業務は4時40分頃に終了し、今コテージに帰っているところです。今日は、午前中は外来と巡回診療で、巡回には人見先生も参加されました。午後からは外来と、医薬品のストックの仕分けなどを行いました。全員、体調不良をきたす事なく無事に業務終了しています。」と報告も届きました。
あと1日、がんばってミッションを果たしてきて欲しいものです。

院長からは「2日目もいろいろ中身の濃い1日だったようですね。体調もよさそうで何よりです。」と返事のメールがあり、災害チームのみなさんを勇気付けているようです。
事務局長からも「期待したとおりがんばっているようですね。」等、激励の言葉がありました。

T看護師からは電話での報告もあり、出発直前に物品を確認した理事長から「カップラーメンやレトルト食品だけでは栄養が偏るから野菜を持っていきなさい。」と助言をいただき、ご指示があった食材のためねぎ、きゃべつ、レタス、きゅうりやハム、ソーセージ、たまごなどをドレッシングとともに持参しましたが、なんと「これが一番、おいしかった。もっていってよかったです。」という反応でした。さすが、理事長!

その他として「ところで、物資はかなりそろっていて、あたしたちの持って来た物資は余ります。余った物はいずれ県立病院が再開したときに使われるようですが、どうしましょう?寄付してきてもいいですか?」とのこと。かなりたくさんの医療材料等をバスに積み込み持参して行きましたので「もし、お役に立てていただけるのであれば」ということで寄付してくることになりました。少しでも、今後のお役に立てれば幸いです。

3日目の今日、「最終日ですけど、気を抜かずがんばります。今日は避難者の方々の移動もあり、施設内バタバタとしそうなので、現場のニーズに合った対応をします。」と頼もしいメールが朝から来ていました。ぜひ、しっかり悔いのないようにがんばってきてください。

予定では明日朝、6時に出発して23時に病院到着予定です。5人揃って元気に帰院してくれることを願っています。

追加の情報
「お疲れ様です。災害派遣中の岡市です。現在、大槌高校にて岩手県災害対策本部が設置した無線LAN環境をお借りし、ネットワーク構築しました。せっかく用意していただいたauの無線端末が岩手県盛岡市周辺しか対応していないようですので、大槌高校内に滞在中のみメールやインターネットができる状態です。アウトルックで送信がうまく出来ないので、ウェブメールアカウント作成し使用しています。」
とのことでした。
連絡用とお薬調べが迅速に出来るようにとインターネットができるパソコンを2台も用意していきましたが、無線ラン システムの弱さも露呈してしまいました。対策本部の方々にかえってご迷惑をおかけしてしまい、申し訳なかったです。すいません。

タグ:災害支援
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いよいよ到着しました [東北地方太平洋沖地震災害支援]

いよいよ到着しました。昨日の14時に病院を出発した5名は早朝、コテージへと到着したようです。
みんな変わりないというメールが看護師さんたちから届きました。

Oくん、Tさんより
今朝5時20分、宿泊先のコテージに到着しました。全員変わりありません。
前任者から引継ぎを受けて、今は、被災地の大槌町に向けて出発したところです。毎朝現地で8時半からミーティングがあるらしいので、毎朝6時半には出ないといけません。
また連絡します。

とのこと、がんばってくださいね。
通信用にインターネットができるパソコン(バッテリー容量が大きいタイプ)も持参していきまして、今日の治療薬などお薬調べも瞬時に出来る体制をとっています。薬剤師さんの活躍にも期待しています。
その後の経過報告があればまた、ブログに記載します。
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災害医療班 事前打ち合わせ会議 [東北地方太平洋沖地震災害支援]

当院では東北地方太平洋沖地震災害支援として医療班を派遣することになりました。大阪府医師会ではすでにいくつもの班が実際に救援活動や医療活動を行っており、わたしたちの病院からも来週、医師会から参加することになりました。
昨夜、震度6強の地震があり、せっかく復旧し始めた被災地がまた、新たに災害を受け、ライフラインまで途絶えてしまったとお聞きし、胸が熱くなります。

今日はBLS&AEDの学習会のあと、災害支援 医療班事前打ち合わせ会議を行いました。被災地に実際に行く、医師、看護師2名、薬剤師、事務員の5名をはじめ、院長や栄養課長、看護部長、副看護部長、経営企画部長、法人総務部長、営繕課長 他が会議室に集合しました。

災害医療班 事前打ち合わせ会議の内容は下記のとおりです。
1.諸注意事項説明
1)事前学習会
①先発隊の報告 医桜パワーポイントより
②事前調査報告パワーポイントより
③メンタルヘルス関係(資料配布)
④その他 諸注意
2.持参物品の確認:リストを読み合わせ、追加準備の有無確認
3.現地情報の共有化:医師会からのFAX内容確認
4.現地での活動準備
1)派遣メンバーの紹介
2)医師より
3)看護部より
4)薬剤科より
5)事務より  それぞれの準備状況、問題点、不安な点など確認
5.救護諸活動
1)活動内容の確認
平成○○年○月○日~○日 13時30分バスが病院に到着し荷物を積み込み14時出発
派遣場所確認
①定点の決定
②記録:カルテ、日報、報告書の確認、カンファレンス記録の確認
③情報収集:救護施設のミーティング参加
④診療補助
⑤自施設への連絡:毎日、メール報告
⑥物品調達
⑦マスコミ対応
2)活動報告書のまとめ
3)活動報告:帰院後、活動報告会を実施するためその内容確認
6.被災地でのマナー
7.救護所での食事
8.撤退・引継ぎ
1)撤退の留意事項
2)撤退時の配慮
2時間以上かけて行いました。まだまだいろいろ準備が必要なこともわかりましたが有意義な学習会を実施できたと思います。万全な準備というのは難しいかも知れません。しかし、少しでも皆様方のお役に立てるよう準備して行きたいとみな、願っております。
後日、活動報告も記載したいと思います。

5人の精鋭部隊の方々、気をつけていってきてください。そして被災されている方々のお役に立っていただけることを心から願っています。



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